アメリカで看護師として働くためのプロセス
1. 資格と教育の認証
CGFNS審査(Commission on Graduates of Foreign Nursing Schools)
- 目的: 海外の看護師がアメリカの看護師資格を取得するための第一ステップ。
- 手続き:
- CGFNS Certification Programに登録する。
- 学歴証明の提出: 日本の看護学校からの成績証明書を提出。
- 看護師免許証明の提出: 日本の看護師免許の証明書を提出。
- 英語能力証明: TOEFL iBT(または他の認定された英語試験)で必要なスコアを取得。
- CGFNS Qualifying Examの受験: 看護知識を評価する試験。
2. NCLEX-RN試験の受験
NCLEX-RN(National Council Licensure Examination for Registered Nurses)
- 目的: アメリカの看護師としての基本的な知識とスキルを評価する試験。
- 手続き:
- 州の看護師登録機関に申請: NCLEX-RNの受験資格を得るために、希望する州のBoard of Nursingに申請。
- **Authorization to Test (ATT)**の取得: 州のBoard of NursingからATTを受け取る。
- NCLEX-RN試験の受験: 試験センターで受験。
- 結果の確認: 試験後、合否の結果が通知される。
3. ビザの取得
就労ビザの種類
- H-1Bビザ: 特定技能職のためのビザ。看護師が取得することは稀で、通常は高度な専門職向け。
- EB-3ビザ(Employment-Based Third Preference Category): 技術職や専門職向けの永住権を得るためのビザ。
- 手続き:
- 雇用主による求人広告: 雇用主が看護師のためにポジションを広告する。
- 労働認証(Labor Certification): 雇用主がアメリカ労働省から認証を得る。
- I-140申請: 雇用主がI-140(移民請願書)を提出。
- I-485申請: 看護師が永住権を申請するためにI-485を提出。
- 手続き:
コスト
- CGFNS審査費用: 約$445(約5万円)
- NCLEX-RN試験費用: 約$200(約2.2万円)
- 英語試験(TOEFLなど)費用: 約$200(約2.2万円)
- ビザ申請費用: 約$190(約2.1万円)+手数料
- その他費用: 書類翻訳、交通費などを含めると総額で約20万円〜30万円
アメリカでの看護師の地位
地位と評価
- 高い需要と安定性
- アメリカでは看護師の需要が高く、特に高齢化社会の進展により需要はさらに増加しています。このため、看護師は安定した職業とみなされています。
- 高い収入
- 看護師は比較的高い収入を得ることができます。経験年数や専門分野によって給与は異なりますが、全体的に良好な待遇が期待できます。
- 尊敬される職業
- 看護師は患者のケアを担当し、医療チームの一員として重要な役割を果たすため、社会的にも尊敬される職業です。特に患者やその家族から感謝される機会が多いです。
- キャリアの多様性
- 看護師は病院だけでなく、クリニック、訪問看護、学校、企業、研究機関など多様な職場で働くことができます。また、専門看護師やナースプラクティショナーなどの上級職へのキャリアパスも開かれています。
- 専門性の向上
- 継続的な教育や資格取得により、専門分野を深めることが奨励されています。これにより、看護師は医療の現場でより専門的な役割を果たすことができます。
一般的な意見
- 患者中心のケア: 看護師は患者のケアを中心に考える職業であり、患者との密接な関係を築くことが求められます。
- 多忙な職場: 特に病院の急性期病棟などでは業務が多忙であり、体力的・精神的な負担が大きいこともあります。
- 継続教育の重要性: 医療の進歩に伴い、継続的な教育とスキルアップが求められます。多くの看護師が定期的に研修やセミナーに参加しています。
- ライフバランスの課題: シフト勤務が多く、特に夜勤や週末勤務があるため、家庭とのバランスを取ることが課題となる場合もあります。
アメリカで看護師として働くことは、挑戦であると同時に多くの機会があり、やりがいのあるキャリアパスです。詳細な手続きや必要な資格については、各州の看護師登録機関(Board of Nursing)のウェブサイトやCGFNSの公式サイトを確認し、最新の情報を入手することが重要です。
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