カナダで看護師として働くためのプロセス
日本の看護師免許を持つ看護師がカナダで働くためのステップは以下の通りです。カナダには各州ごとに看護師登録機関(Regulatory Body)があり、それぞれの基準や手続きが若干異なる場合がありますが、一般的なプロセスを説明します。
1. 資格と教育の認証
Nursing Community Assessment Service(NCAS)
- 目的: 海外で取得した看護師資格と教育がカナダの基準に適合しているかどうかを評価します。
- 手続き:
- NCASの登録: オンラインで登録し、申請料を支払います。
- 学歴証明と資格証明の提出: 日本の看護学校の成績証明書と看護師免許証明を提出します。
- 英語能力証明: IELTS AcademicまたはCELBAN(Canadian English Language Benchmark Assessment for Nurses)のスコアを提出します。
2. NCLEX-RN試験の受験
NCLEX-RN(National Council Licensure Examination for Registered Nurses)
- 目的: カナダの看護師としての基本的な知識とスキルを評価する試験。
- 手続き:
- 州の看護師登録機関に申請: NCLEX-RNの受験資格を得るために、希望する州のRegulatory Bodyに申請します。
- **Authorization to Test (ATT)**の取得: 州のRegulatory BodyからATTを受け取ります。
- NCLEX-RN試験の受験: 試験センターで受験します。
- 結果の確認: 試験後、合否の結果が通知されます。
3. 書類の提出と審査
州の看護師登録機関(Regulatory Body)への書類提出
- 必要書類(学歴証明、資格証明、英語能力証明、NCLEX-RNの合格証明など)を提出し、審査を受けます。
4. 就労ビザの取得
就労ビザ(Work Permit)または永住権(Permanent Residency)
- 手続き:
- 雇用主からのオファー: カナダの医療機関からの雇用オファーを受けます。
- ビザ申請: 就労ビザまたは永住権を申請します。
必要なスキル
- 英語またはフランス語のコミュニケーションスキル: カナダは英語圏とフランス語圏があるため、地域に応じた言語スキルが必要です。
- 臨床スキル: 高度な看護技術と知識が求められます。
- 適応力: 新しい環境や文化に適応する能力。
- リーダーシップ: チームをリードし、患者ケアの質を向上させる能力。
コスト
- NCAS審査費用: 約$640 CAD(約5.5万円)
- NCLEX-RN試験費用: 約$360 CAD(約3万円)
- 英語試験(IELTSなど)費用: 約$300 CAD(約2.5万円)
- ビザ申請費用: 約$150〜$500 CAD(約1.3万〜4.2万円)
- その他費用: 書類翻訳、交通費などを含めると総額で約20万円〜30万円
カナダの看護師の平均的な年収
カナダの看護師の年収は、経験年数や勤務地、専門分野によって異なりますが、一般的な範囲は以下の通りです。
- 新人看護師: 約$60,000〜$70,000 CAD(約500万円〜600万円)
- 経験を積んだ看護師: 約$70,000〜$85,000 CAD(約600万円〜700万円)
- 上級看護師: 約$85,000〜$100,000 CAD(約700万円〜850万円)
まとめ
日本の看護師がカナダで働くためには、NCASによる資格認証、NCLEX-RNの受験、英語能力証明、そして州の看護師登録機関への登録が必要です。これには時間と費用がかかりますが、カナダでは看護師の需要が高く、安定した職業とされています。給与も比較的高く、キャリアの成長の機会も多いです。具体的な手続きや必要書類については、各州の看護師登録機関やビザ申請の情報を参照することをお勧めします。
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